跪かずに祈る

 
<跪かずに祈る>
 

まだ髪が短かった頃のわたしが言う。

 
わたしは自分のことを悪い人間だと思っていて、
誰かにずっと傷つけられていたかったんだと思う。
罰を与えられ続けていたかったんだと思う。
 

だから自分のことをボロボロにするひとばかり選んで、
恋をしてきたの。
幸せになりたくてひとを好きになっていたはずだったのに、
どうやらまったく逆のことをしてきたようなの。
 

ペットショプの愛玩犬を撫でて
容易くかわいいねと言い捨てて帰ってしまうような
そんな気まぐれにじゃなく、
どうぞわたしを大切にしてくださいな。
もっと長い間、成熟した態度で。
 

わたしは毎朝髪を巻きながら、
とてもつらかったときのことを思い出している。
 

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<とある夜に見た夢の話>
 

淡いピンクの光が空間にぼんやりかかっていて、
その下には白やオレンジや水色の光が走っていた。
光源の中にいるせいで光が織りなす全景を見ることはできないけれど、
自分が虹の中にいることをわかっていた。
 

とろけるように甘い空気の中、
わたしの周りには映画「ヴァージン・スーサイズ」に出てくる
姉妹のような美しい女の子たちがいて、
親しげにわたしにしなだれかかってきたり、
腕を絡ませてきたりしてくすくす笑っている。
 

気後れしつつも
「こんな子たちの仲間になれてうれしいな」と
ドキドキしながら一緒に虹を眺めた。
 

薄ら目を明けると夜中の三時ごろで、
次の夢に入っていく間際に
「ジーンズにタンクトップだったけれど
彼女たちはきっと天使だったんだな」と思った。
 

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<強がって独りごちるとある日>

久しぶりに爪を塗った。
いくつか散らした大きめのラメが
桜の花に見えた。
 

黒曜石の瞳のあなたが迎える春が
誰よりも明るく温かいものでありますように。
大きな旅立ちのある春を
誰より喜びつつ、
誰よりも寂しがっているのがわたしであることを
あなたは知らないままでいい。

 

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